庭をわたる風

時は20世紀初頭、英国の名探偵ホームズもヴァイオリンをたしなんでいた頃。
余暇の愉しみに楽器を弾く人たちのあいだでは、ピアノや弦楽器と並んで、フルートが大きな人気を博していました。
有名作曲家たちの名品にも事欠かず、日本ではあまり知られていない作曲家が残した秘曲にも、忘れがたい傑作が続々。英国歌曲の名匠クィルター、多作で多芸なヴィラ=ロボス、フランスの女性作曲家シャミナード、謎多きウッダール・・・折々ファゴットの妙音を交えながら、英国帰りの名手の吹く滑らかなフルートが、存在感あふれるデュオ・パートナーのピアノとともに、室内楽のさまざまな魅力をゆったり、愉しませてくれます。

演奏者

古川仁美(フルート)
武田顕治(ピアノ)
前田正志(ファゴット)

曲目

ロジャー・クィルター:三つのシェイクスピア歌曲作品6（1905年）より
１．吹けよ、吹け、冬の風（お気に召すまま、第2幕第7場）
２．来たれ、死よ（十二夜、第2幕第4場）
３．W.A.モーツァルト：ロンドニ長調 KV.Anh.184
４．サン＝サーンス：あなたの声に心は開く（歌劇「サムソンとデリラ」より）
５．A.ウッダール：セレナーデ
ヴィラ＝ロボス：ブラジル風バッハ第6番（1983年）
６．アリア
７．ファンタジア
８．ジュール・ムーケ：パンと小鳥（フルートとピアノのためのソナタ「パンの笛」作品15より）
シャルル＝マリー・ヴィドール：組曲作品34
９．モデラート
１０．スケルツォ
１１．ロマンス
１２．フィナーレ
１３．セシル・シャミナード：小協奏曲作品107